高等学校新科目「公共」教科書の政治学的分析

書誌事項

タイトル別名
  • A Political Analysis of the New High School Subject “The Public”:
  • ―概念と探究課題
  • Concepts and Inquiry Tasks

この論文をさがす

説明

<p> 本稿は、高等学校公民科の新必修科目「公共」の導入を受け、その教科書の内容を政治学的な関心から分析することを目的としている。「公共」の特徴は、「習得→活用→探究」の構造が従前の「現代社会」より徹底された点で、社会科学の概念・理論を習得・活用することで、現代社会の現実の諸課題の解決へ向けて探究するものになっている。そこで、本稿では、「公共」教科書で習得・活用が求められている社会科学の主要な概念・理論と、その習得した概念・理論を用いて探究すべき現代の課題とについて、学習指導要領及びその解説、主要5冊の「公共」教科書、大学の政治学教科書2冊を比較しながら分析を行った。その結果、どの「公共」教科書でも同じ記述になっているもの、教科書により記述が揺れるもの、どの教科書でも十分に扱われていないものがあった。また、大学の政治学教科書は、概念・理論の活用の点で主権者教育・シティズンシップ教育として弱みがあるばかりでなく、「公共」で扱われる一部の重要な概念・理論を引き継いでいないことも明らかになった。</p>

収録刊行物

  • 年報政治学

    年報政治学 74 (2), 2_82-2_105, 2023

    日本政治学会

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ