手指化膿性腱鞘炎の治療成績―持続局所抗菌薬還流療法(iSAP)有効性の検討―

  • 栗原 美里
    筑波大学医学医療系整形外科
  • 小川 健
    独立行政法人国立病院機構 水戸医療センター 整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment Results for Purulent Tenosynovitis of the Fingers: Effectiveness of the Intra-Soft Tissue Antibiotics Perfusion (iSAP)

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説明

<p>本研究は,手指化膿性腱鞘炎の治療成績を集積調査し,持続局所抗菌薬還流療法(iSAP)の有効性と問題点を検討することを目的とする.手指化膿性腱鞘炎13 例のうち,9 例に従来の滑膜切除術,4 例にiSAP を併用し治療結果を検討した.全体の平均年齢は63.7 歳,男性8 例,女性5 例で,Loudon 分類の1 期1 例,2 期7 例,3 期3 例,4 期2 例であった.Flynn 機能評価は優3 例,良9 例,不可1 例で,再発は従来群で1 例に認め,両群で術後可動域,入院期間に有意差はなかった.iSAP 群1 例に薬剤性腎障害を認めた.治療成績は従来群,iSAP 群ともに良好であった.特にiSAP 群では,予後不良とされるLoudon 分類3,4 期でも良好な機能予後が得られ,再発はなかった.局所陰圧閉鎖療法(NPWT)装置装着による機能予後の低下や入院期間延長の傾向は無かった.iSAP の併用により,機能を損なわずに感染制御の確実性を高められる可能性があると考えられた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390303000764931200
  • DOI
    10.60304/jjssh.41.4_350
  • ISSN
    21881820
    21854092
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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