ニボルマブ+イピリムマブ療法中にサイトカイン放出症候群を繰り返し,再燃の契機として細菌感染症が疑われた1例

  • 松浦 啓吾
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 角 俊行
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 藤森 賢人
    札幌厚生病院呼吸器内科
  • 鎌田 弘毅
    札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科 札幌厚生病院呼吸器内科
  • 小林 智史
    札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科 札幌厚生病院呼吸器内科
  • 大塚 満雄
    札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科 札幌厚生病院呼吸器内科
  • 石郷岡 大樹
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 池田 拓海
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 山田 裕一
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 千葉 弘文
    札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Repeated Cytokine Releasing Syndrome During Nivolumab Plus Ipilimumab Therapy, with Bacterial Infection Suspected as a Trigger for Relapse

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説明

<p>背景.免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)による重篤な免疫関連有害事象(immune-related adverse event:irAE)の一つにサイトカイン放出症候群(cytokine releasing syndrome:CRS)がある.これまでCRSの再燃について報告があるが,再燃のリスクや重症度については明らかではない.症例.75歳,男性.肺腺癌術後の経過観察中に胸膜播種と癌性胸水が出現したため,ニボルマブ+イピリムマブ療法を開始した.Day 16に癌性胸水に対するドレナージ目的に入院した.Day 24より発熱し,day 35に強直間代性痙攣と低酸素血症を認めた.CRSと判断し,ステロイドパルスとトシリズマブの投与を行った.状態は改善しday 72に退院した.Day 75より発熱と下腿部痛があり,蜂窩織炎を契機としたCRSの再燃が疑われたためday 78に再入院した.ステロイドや抗菌薬を投与したが改善なく死亡した.結論.CRSが再燃した要因として細菌感染症が考えられた.CRSの治療中は,軽度の細菌感染であってもCRS発症の契機となる可能性があり,速やかな治療介入と慎重な経過観察が求められる.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 65 (1), 54-59, 2025-02-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (14)*注記

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