ミコフェノール酸AUCの算出のためのBayesian法の確立とその精度

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<p>【目的】ミコフェノール酸(MPA)は、AUC0-12として30-60 mg.hr/Lを指標にTDMの実施が推奨されている。しかしAUC算出には複数採血が必要でありTDMが十分に実施されていない。今回我々は腎移植患者を対象にBayesianに基づいたAUC推定法を確立し、その精度を確認した。【方法】腎移植術後21日目から699日目のタクロリムスとセルセプト併用日本人腎移植患者のべ752名のMPAトラフ濃度から投与後12時間までの血中濃度計5,809点から、1-compartment modelを用いてBayesian法を確立した。さらにBayesian法によるAUC推定値の精度を確認するために、Bayesian法確立患者群と異なる患者45名からWInNonlinによる実測AUC値を算出し、Bayesian推定AUC値と比較した。【結果】Bayesian推定AUC値と実測AUC間で最も高い相関を示したのは、1点採血ではトラフ値(C0, r=0.848)であり、次いで投与後9時間(C9, r=0.765)であった。2点採血の場合、C0-C2でr=0.905、3点採血C0-C2-C3のrは0.931であった。また腸肝循環の情報が含まれるC9を考慮した場合、C0-C2-C9のrは0.941と高い相関を示した。このBayesian式を用いて、式確立患者群と異なる群のAUCを予測した結果、C2が最もAUCを予測(r=0.645)し、2点の場合、C0-C3でr=0.723、3点の場合C0-C2-C3でr=0.816、C2-C3-C9でr=0.904であった。【考察】今回開発したBayesian式は高い精度でAUCを予測できると考える。今後本BayesianによるMPAのAUC解析ソフトを配布予定である。</p>

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