生体肝移植患者の退院時運動耐容能に影響する周術期因子を明らかにする

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<p>【目的】生体肝移植(LDLT)の術前レシピエントの特徴は,低栄養,浮腫,筋萎縮,肝性脳症に加え,術後合併症を併発する頻度が高く,十分な耐久性の獲得に難渋する症例が多い.そこで本研究は,退院時運動耐容能に影響する周術期因子を検討した.【方法】対象は,2021年1月~2023年12月に消化器・総合外科でLDLTが施行された18歳以上の成人症例107例(女性53例,年齢55±11歳).運動耐容能は,6分間歩行距離(6MD)を指標とした.患者属性及び術前因子は,年齢,性別,BMI,大腰筋断面積,生化学(ALB,PT%,T-Bil),腹水量,MELDscore,GNRI,CT値,最大握力,6MDとした.術中及び術後因子は,手術時間,出血量,グラフト体重比,ICU在院日数,術後離床開始日数,自立歩行獲得日数を診療録より調査した.統計解析はχ二乗検定及びMann-WhitneyU検定を用いて2群間をそれぞれ比較し,退院時運動耐容能に周術期因子が与える影響を重回帰分析した.有意水準は5%未満とした.【結果】退院時6MDと年齢(p=.01),性別(p=.02),BMI(p=.004),術前MELD(p =.02),術前最大握力(p=.0001),術前6MD(p=.0001),ICU在院日数(p=.006),術後自立歩行獲得日数(p=.0001)に有意差を認めた.また退院時6MDを目的変数とした重回帰分析では,年齢(β=-.23,p=.021),術前6MD(β=.52,p=.0001)が抽出された.なおR2=.56であった.【結論】退院時運動耐容能に影響度が大きい周術期因子は,術前6MDであり,術後の耐久性獲得のためには術前からのリハビリ介入が重要である.</p>

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