Survey on the Gap between Expectations and Satisfaction Levels of Foreign Tourists and its Factors

Bibliographic Information

Other Title
  • 外国人観光客における期待度と満足度のギャップとその要因に関する研究
  • ~京都嵯峨野・嵐山エリアを対象として~
  • ~A Case Study of the Sagano and Arashiyama Areas of Kyoto~

Description

<p>近年の日本は,インバウンド需要の高まりからみても外国人観光客にとって,魅力的な観光地として評価されていることが伺える。日本の観光業のさらなる発展には,観光客のニーズに応じた満足度の高い体験の提供や,増加する観光客への対応が求められる。観光に関する先行研究では,観光旅行者がリピーターとなるプロセスに,観光地に対する満足,不満足といった感情が大きく影響していること(小原,2013)や知覚混雑が予想混雑を上回った人の方が観光地の体験満足が低くなっている傾向にあること(大川ほか,2019)が明らかとなっている。</p><p> これらの先行研究では,旅行前,旅行後の期待/満足に影響している要因に対する視点が不足していることが課題として挙げられる。そこで本研究では,外国人観光客が多く訪問・滞在している観光地において,旅行前の期待度と旅行後の満足度に注目し,観光地ごとの期待度/満足度のギャップやその要因を明らかにすることを目的とする。</p><p> 本研究では,京都府の嵯峨野・嵐山エリアを対象として,観光地を訪問した後の外国人観光客に対して対面式質問紙調査を実施する。調査内容は,期待度/満足度ランキング,順位選択理由,旅前情報源,モンタージュ写真の比較による知覚混雑度などを記載してもらう形である。</p><p> 今回の調査において対象となった9つの観光地(常寂光寺,嵯峨野トロッコ列車,大河内山荘庭園,天龍寺,嵐山モンキーパーク岩田山,渡月橋,長辻通,竹林の小径,野宮神社) の期待度/満足度を基に大きく3つのタイプに分類した。①期待上回り観光地 (期待度<満足度):満足度が期待度を上回った観光地で,旅行前に知らない人が多い観光地が見られる。②予想通り観光地(期待度=満足度):期待度と満足度に大きな差がない観光地で,意見の偏りはあるものの,最終的には評価は変動しない傾向が見られる。③期待下回り観光地(期待度>満足度):満足度が期待度を下回った観光地で,旅行前の情報により期待度が高くなる傾向がある。上記のタイプに分かれる要因としては,混雑度,事前情報(観光雑誌,SNS,HP),観光地での体験や景色などが挙げられる。例えば③の場合,最も期待していた観光地について,34%がSNSで興味を持ったと回答したが,その内の83%が期待通りの体験ができなかったとしている。また,SNSで事前情報を得た外国人観光客の約7割は満足度が低いのに対し,SNSを利用しない観光客の約7割は高評価を維持する傾向が見られた。先行研究では混雑度が期待度/満足度に影響を与えているとしたが,事前情報や現地での体験など複数の要因が存在することが明らかになった。</p>

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