マトリョーシカ分布からたどる日琉諸語の系統:東日本における系統発生、移住、言語の置き換え

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  • Tracing Japonic Lineages through Matryoshka Distribution: Phylogeny, Migration, and Language Replacement in Eastern Japan

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言語形質の間に含意的階層が存在し、それに対応する等語線が入れ子状の構造を持つことは、言語系統の再建や、移住による言語の拡散の理解に有益な手がかりを提供する。筆者はこの地理的分布を「マトリョーシカ分布」と称し、これが現代の日本列島に観察されることを先行研究で示してきた。本研究では、マトリョーシカ分布の概観を提示し、東日本における日本語系諸方言の系統分類に対するその示唆を検討する。8世紀の東日本語の唯一の現存する子孫とされる八丈語の系統的位置を再考することで、マトリョーシカ分布が基層日琉語―日琉祖語の分岐とその後の言語置換の間の時代に、八丈島を含む東日本で話されていた基層の日琉語系変種―を反映していると提案する。

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