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- 下郷 大輔
- 作新学院大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Narratives of Young Inmates on Social Reintegration and the Family
- ジャクネン ジュケイシャ ノ カタリ カラ カンガエル シャカイ フッキ ト カゾク
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説明
<p>本稿では、若年受刑者を対象に実施した「家族について考えるプログラム」内で語られた内容を基に調査を行い、親元に帰住する際の留意点を示唆することを目的とした。</p><p>調査では、出所後の親との関係再開や関係継続への困難さが語られ、背景因として関わりの希薄さに起因した心情の想像しづらさや、関わりの質の悪さによる自身の価値の喪失が想定された。</p><p>再犯防止という観点では、再犯を起こす可能性と情緒的な感覚のつながりや、望ましい関係として互いにできることを提供しあうことの重要性が語られた。</p><p>親元への帰住に再犯防止効果を期待するには、受刑者が抱える関係の困難さの把握が必要であり、家族の許に帰住することがリスクと判断される場合には、家族のみに頼らない社会復帰の方法を支援することが望まれる。</p>
収録刊行物
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- 現代の社会病理
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現代の社会病理 38 (0), 5-19, 2023
日本社会病理学会