北海道演習林における濁度の異なる隣接した流域の渓流水中の懸濁態窒素・リン濃度の比較

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タイトル別名
  • Comparison of suspended nitrogen and phosphorus concentrations in stream water from adjacent watersheds with different turbidity levels in Ashoro Research Forest
  • ホッカイドウ エンシュウリン ニ オケル ダクド ノ コトナル リンセツ シタ リュウイキ ノ ケイリュウ スイチュウ ノ ケンダクタイ チッソ ・ リン ノウド ノ ヒカク

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説明

森林からの窒素・リン流出の計測において,懸濁態物質の測定は重要である可能性があるにもかかわらず,測定事例は限られている。そこで本研究では,北海道東部の森林域において,濁度が異なる 2 つの隣接した渓流水において,濁度,主要イオン成分,懸濁態を含めた窒素・リンの分析を行い,濁度の程度が懸濁態窒素・リン濃度に与える影響を評価した。また,時間(季節)変動を評価するために,季節毎に採取した。その結果,懸濁態窒素・リンが全窒素・全リンに占める割合は,濁度の低い渓流水(濁度平均 0.11FTU)ではそれぞれ 2.4%,1.9% と低かったが,濁度の高い渓流水(濁度平均 6.3FTU)ではそれぞれ 28%,68% と高かった。懸濁態窒素・リン濃度は濁度と正の相関がみられた。また,時間変動は溶存成分よりも懸濁成分のほうが大きい傾向にあった。これらの結果は,窒素・リンの流出量を計測する上で,懸濁態窒素やリンの計測を行う必要性はその河川水が有する濁度に依存し,懸濁態物質の流出量を見積もる際に必要な採水頻度は溶存態の流出量を計測する際に行う頻度よりも多く行う必要があることを示唆した。

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