AI が学生の創造性・挑戦を解き放つ(Web サイト)

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説明

生成AI は既存の知識やスキルを上書きしつつある。Web サイトを製作するには,HTML/CSS のプログラミング言語知識や難しい操作スキルを必要としたが,自然言語をプロンプトとして与えるだけでホームページを作成できる。「Slideflow」は,パワーポイントをアップロードすると自動でWeb サイトに変換してくれ,パワーポイントさえ出来ればWeb サイトを製作してくれる。「DORA AI」は自然言語により20 秒でウェブサイトを生成してくれる。アンソロピック「Claude」のArtifacts 機能,Vercel」の「v0」,「Create.xyz」を使えば,自然言語でWeb サイトが作れる。「Wegic」「Wix AI サイトビルダー」「GPT Engineer」はチャット形式で操作を進められる。「ペライチ」は,参考サイトのURL を入力するだけでHP を自動生成する。危機であるのはクリエイターではなくプログラマーの方であるという評価に変わった。明治維新で刀から算盤に変わった際に,武士と商人の立場が逆転したに等しい。「リープ・フロッギング(カエル跳びのような一段飛ばし)」と呼ぶ。酒井(2024)は現代社会の格差は上下基準が転倒し下剋上に潜む多義性を有すると指摘する。「ウサギとカメ」のイソップ童話のように,足の遅い運動オンチが車を得て人力車に勝ち,暗算が苦手だった計算オンチが電卓を得て算盤に勝利したような立場逆転である。位置決定や描画する基礎知識であった線形代数(ベクトル,行列)を分からなかった数学オンチが3DCG やゲームを作ったり語ったり出来るようになった。道場に通い剣術を学んでいた侍はある日,寺小屋に行って読み書き算盤を勉強しろと言われた。次世代に生きる若者は新メディアに挑戦した方が良い。生成AI は僅か3 年で著しい進化を遂げ,AI リテラシーに大差が付いた。経験が邪魔する昭和世代がスクラッチ(ゼロ状態)から始めることは難しい。AI を嫌悪する反日左派のアンチAIが時代に追い付くことは出来ない。彼らは,動画共有や検索に著作権侵害,ドローンやセグウェイに安全面の懸念を挙げ,新しいモノを次々と潰して来た。生成AI についてもハルシネーション,セキュリティ・著作権問題を盛んに伝え,日本から好奇心や冒険心を奪い再び衰退国家に導きつつある。グーグル検索から,オープンAI やパープレキシティによるAI 検索への移行は四半世紀に亘るネットの常識を変える。タイパ時代で2 秒ルールが当たり前になった。ページを読み込む際に2 秒でイライラし始め47% の人が「もういいや」となる法則である。生成AI はWeb サイトの最適化をもたらし0.3 秒まで遷移速度を短縮し離散を防ぐ。集客策とされた動画やゲームなど遷移速度を遅らせるコンテンツ実装を控える最適化にトレンドは変わった。SDGs(持続可能性)やDEI(多様性,公平性,包摂性)を重視して設計されたAI が時代遅れサイトを低評価するようになり,2025 年にはプログラミングを書くAI エージェントが拡がり,自動化が加速した。結果として, Web サイト製作に求められるスキルは理系(プログラミング)から文系(モラル,公共心)へ変わった。日本には資源も土地もなく,最も重要であった勤勉さも失いつつある。人口も減少している現状,AI の使い方が日本の未来を左右する。自らの既得権益を守るためアンチAI になる大人を真似るのではなく,若者には日本の未来のためにAI エージェントと生成AI を活用することに期待したい。

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