世界初の経口バイオ医薬リベルサス<sup>®</sup>(GLP-1受容体作動薬セマグルチド)

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<p>GLP-1受容体作動薬は,抗糖尿病作用に加え,多様な生理活性を有し,その重要性がますます高まっている.近年,作用時間の延長を目的とした分子の化学修飾が進められ,超持効性の薬物動態を持つアナログであるセマグルチドが開発された.さらに,セマグルチドは注射剤だけでなく,経口製剤であるリベルサス®が誕生し,2型糖尿病患者に新たな治療選択肢を提供している.本稿では,まずリベルサス®錠の臨床開発の概要を紹介し,その開発成功の鍵となった経粘膜吸収促進剤「サルカプロザートナトリウム(SNAC)」について解説する.具体的には,SNACの開発の歴史,物性,安全性,薬物間相互作用,およびSNACによるセマグルチドの吸収促進機構に焦点を当てる.セマグルチドは胃で吸収されるという特異な特性を持ち,さらに,錠剤の約80%がSNACで構成されるという点で従来の製剤とは一線を画す.そのため,服用前の絶食時間,服用後に最初の食事を摂るまでの時間,飲料のpH,飲水量といった要因が,セマグルチドの胃吸収に大きな影響を及ぼす.適切な服薬指導と管理を徹底することで,リベルサス®の臨床効果を最大限に引き出し,より良い糖尿病治療につながることが期待される.</p>

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