永久革命としての民主主義 : 5つのパラドックスを超えた新しい政治理論

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  • Democracy as a Perpetual Revolution : New Political Theory beyond Five Paradoxes

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[要旨]この章では、ポピュリズム、疑似民主主義、新権威主義など、現在の政治の行き詰まりを克服するために、現代の民主主義理論の本質的なパラドックスを考察する。単純な民主主義理論は、ジレンマに対処できないため、参加民主主義、熟議民主主義、討議民主主義、ラディカルデモクラシー、闘技民主主義、争議(異議申し立て型)民主主義(contestatory democracy)、結社民主主義などを含むさまざまな「形容詞付(条件付きの)民主主義(qualified democracy)」がある。ただし、これらのこの試みと関連する政治哲学には、次のような緊張関係がある。(1)熟議民主主義vs.ラディカルデモクラシー、(2)結社民主主義vs. フランス型共和主義、(3)自由主義vs. 民主主義、(4)コミュニタリアニズムvs. 民主主義、(5)共和主義vs. 民主主義。こうしたジレンマに対処するために、この章では、戦後日本で最も影響力のある政治理論家である丸山真男による民主主義理論を発展させることで、新しい政治理論を提案する。「永久革命としての民主主義(perpetual revolution of democracy)」という彼の考えは、主権者内における水平的/垂直的次元に沿った多数/個人、または部分/全体の間のジレンマに基づいている。この章では、この考えを永久革命のための多次元的新対理法(弁証法)的民主主義理論(multi-dimensional neo-dialectical democratic theory)として再定式化する。

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