コンプレッションウェア着用によるリハビリテーション業務へ及ぼす影響

  • 横里 直輝
    京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 川上 健司
    京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 木下 大希
    京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 片桐 章
    京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部

書誌事項

タイトル別名
  • -着用の感想からの検討-

説明

<p>【はじめに、目的】</p><p>コンプレッションウェアの着用により、リハビリテーション業務中の疲労感を軽減させる効果があるかを検証したところ、 介助量が多いリハビリテーション業務中の動作にて負担軽減が有意に見られた。今回、コンプレッションウェア着用時の感想について自由記述法にてアンケート調査を対象者に行い、アンケート内容について検討した。</p><p>【方法】</p><p>対象は当院に勤務する理学療法士22名。対象療法士の経験年数4.0±2.4年で、性別は男性14人、女性8人であった。対象者は、コンプレッションウェアのトップス (CW-X 機能性トップスHIGH PERFORMANCE JYURYU TOP:株式会社ワコール社製)とショーツ (CW-X 股関節サポート CORE MODEL ボディバランスアップスパッツ:株式会社ワコール社製)を業務時間中常に着用し、通常の臨床を行った。着用期間は7日間とした。着用期間後に着用した際の感想を自由記述してもらい、記述内容をKJ法にて類似項目と対立項目に分類分析した。</p><p>【結果】</p><p>アンケート回収率は100%、有効回答率は100%であった。アンケートの記述内容については類似項目として着用によるメリットとデメリットの2群に分類した。メリットでは「姿勢の改善感」「骨盤、腰背部の安定感や身体が動かしやすい」などが挙がった。デメリットでは「圧迫感がある」「暑く感じる」などが挙がった。また、対立項目として「姿勢の改善感」「骨盤周囲の安定感や身体が動かしやすい」と「圧迫感がある」に分類された。「姿勢の改善感」「骨盤周囲の安定感や身体が動かしやすい」を訴えた約半数が「圧迫感がある」と記述する結果となった。</p><p>【考察・まとめ】</p><p>トップスの着用によって胸椎伸展が促され、ショーツの着用によって骨盤や股関節がサポートされることから、「姿勢の改善感」「骨盤周囲の安定感や身体が動かしやすい」などのメリットに繋がったことが考えられる。一方、ウェア装着により衣服が密着するため「圧迫感がある」のデメリットに繋がった可能性も考えられる。今回、コンプレッションウェア着用の感想からリハビリテーション業務への影響の検討を行った。感想より挙げられたメリットから、リハビリテーション業務負担を軽減させる効果があると考えられた。一方、圧迫感があるとのデメリットから、介助量が少ない業務場面では圧迫度合いを調整できる機能があるとより快適であることが考えられた。</p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は所属施設の倫理委員会の承認のもと実施された。対象者に対しては調査の趣旨を説明し同意書にて同意を得た。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ