Modern Landscapes of Northern Japan Alps Discovered by MOMOSE Shintaro

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  • 百瀬慎太郎による北アルプスの近代的風景の発見
  • モモセシンタロウ ニ ヨル キタアルプス ノ キンダイテキ フウケイ ノ ハッケン

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本研究は、山岳文学の書き手および山岳文学研究の対象がエリート層の登山家に限られてきたという点に対して、百瀬慎太郎の紀行文や随筆が新たな視座を与えることを提起する。これらの文章を分析するにあたって、文化地理学的なアプローチとして「風景」という語そのものの再考を図りつつ、近代の日本ならびに大町にみられた山の風景に対するまなざしの変化に着目する。そして、慎太郎による「風景の発見」の過程を明らかにすることで、近代期における山の風景の見方についてより総体的な把握を試みるものである。  近代期の登山家は、論著や紀行文を通じて自身の風景の見方を示した。慎太郎も家業を通じて交誼を得た登山家や彼らの綴る文章にならって山の風景をまなざしていたのであるが、そこに地元の登山案内人との関係性も入り混じるなかで、慎太郎にとって北アルプスの風景は関連する人物との思い出が結びつき一体となってまなざされるものとなっていた。  「山を想へば人恋し」という言葉を端緒として、「風景」という語の持つ意味とその豊かさについて考察する。

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