口内炎に対する半夏瀉心湯の作用機序
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- 人見 涼露
- 日本大学歯学部生理学講座
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説明
<p> 口内炎は多くの人が経験する疼痛を伴う口腔炎症疾患の一つであるが,頭頸部がんなどに対する放射線治療や化学療法によって,広範囲の口腔粘膜炎を形成する場合がある.がん治療による重度の口内炎に伴う激痛によって食事や口腔ケア,会話などが困難になり,患者の生活の質は著しく低下し,場合によっては,がん治療を中断せざるを得ない場合も多くある.このような重度の口内炎に対して,以前より,漢方薬の一つとして知られる半夏瀉心湯が,有効であることが報告されている.さらに,ここ数年で,さまざまな研究者により半夏瀉心湯の有効性とその作用機序が明らかになってきた.半夏瀉心湯は7つの生薬(乾姜,甘草,黄芩,黄連,人参,大棗,半夏)から構成されていて,鎮痛作用,創傷治癒促進作用,抗炎症作用,抗菌作用および抗酸化作用をもつ.各生薬がそれぞれの役割を発揮し,複合的に働くことで,口内炎増悪の抑制につながっている.本稿では,口内炎に対する半夏瀉心湯の効果について解説する.</p>
収録刊行物
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- 外科と代謝・栄養
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外科と代謝・栄養 59 (2), 52-55, 2025-04-15
日本外科代謝栄養学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390304183911744128
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- ISSN
- 21875154
- 03895564
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可