ギャッチアップ制限のある患者へ対する傾斜配膳台の工夫

説明

<p>整形疾患患者は骨折痛や術後疼痛の他、医師からの指示によりG-up制限下で入院生活を過ごさなければならないことがある。G-up制限がある場合、食事が視界に入らず食べにくさが生じてしまい、患者のQOLの低下、身体への影響や精神的な苦痛となってしまう。現在は傾斜配膳台を使用しているが、先行研究では限定的な角度のみの報告であるため、患者のG-up角度に合わせた傾斜配膳台の適切な角度を明確にすることで、食事への意欲向上と患者のQOLの向上が期待できると考え研究の題材とした。 被験者対象は認知症のない意思疎通が可能な患者、脊椎疾患及び大腿骨近位部骨折患者でG-up角度が30度から80度の食事摂取をしている男女、年齢不問とした。傾斜台を使用し、食後にアンケートを取りデータを収集、G-up角度を基準として傾斜台の組み合わせの満足点に対応のあるt検定を実施して、有意差の有無を確認する。傾斜台は10度~25度まで調整ができるものを作成し各条件として6項目を設けたが、25度では食事がこぼれるため、対象角度から除外し10度・15度・20度で研究を行った。食事時間は、どの角度の組み合わせでも有意差は認められなかった。アンケート結果から、平均値45度のG-upを基準としてG-upが45度より低い場合は、傾斜台の角度を10度より高くすると食事の見やすさ・食べやすさの評価は上がった。しかし、G-upが45度より高い場合傾斜台の角度が高いと食事は見やすくなるが、逆に食事摂取しにくく傾斜台で角度を付ける事が必ずしも食事がしやすくなるとは限らないという結果になった。  本看護研究の取り組みにより、ベッド上安静で制限がある患者の食事について考えることができ、食事が見やすい基準となる角度を見出すことができた。今回の結果から患者の食欲を引き出すためにはどのような援助が必要か、日々患者目線で考え、どのようなケアを必要としているのかを明らかにしていきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390304394272196992
  • DOI
    10.32185/dij.8.1_66
  • ISSN
    2433667X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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