POEMS症候群

  • 中世古 知昭
    国際医療福祉大学医学部 血液内科 千葉大学医学部附属病院 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • POEMS syndrome: advances in molecular pathophysiology and treatment
  • POEMS症候群 : 分子病態の解明と治療の進歩
  • POEMS ショウコウグン : ブンシ ビョウタイ ノ カイメイ ト チリョウ ノ シンポ
  • —分子病態の解明と治療の進歩—

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抄録

<p>POEMS症候群は多発神経炎,臓器腫大,内分泌障害,IGLV1-40またはIGLV1-44の2種類の生殖系列遺伝子から由来するλ型Mタンパク血症,皮膚病変,溢水,血清中血管内皮細胞増殖因子上昇を特徴とする稀な傍腫瘍症候群である。本症候群の分子病態を明らかにするために,我々は患者20名の骨髄形質細胞を分離して網羅的遺伝子解析を行った。一人あたり14.5個の遺伝子変異が同定されたが,多発性骨髄腫で高頻度にみられるドライバー変異は検出されなかった。RNAシーケンスの結果もあわせ,本症候群の骨髄形質細胞は多発性骨髄腫や意義不明のMタンパク血症とは異なる遺伝子・転写プロファイルを有することが明らかとなった。サリドマイドなどの新規薬剤と自家造血幹細胞移植による治療法が開発され,自家移植後の5年生存率は90%以上まで改善し,患者ADLも大幅に改善することが可能となった。しかし長期観察での再発防止が今後の課題である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (8), 979-987, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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