パーキンソン病様症状を催す遺伝子改変マウスの雄性不妊解析

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タイトル別名
  • Mutant mouse with Parkinson's disease-like phenotype shows defective spermatogenesis

抄録

<p>【背景】遺伝子改変マウスであるB6.B6D2-Tg(Th-EGFP)21-31Koba(通称TH-GFPマウス)はトランスジーン(Tg)がホモになると,振戦・無動といったパーキンソン病様症状と共に雄性不妊を呈することを見出した。【目的】本研究では,このTgマウスのジェタイプの特定と雄性不妊の原因解明を目的とした。【方法】①病理切片観察による精子形成評価②トレーサー試験による血液精巣関門機能評価 ③定量的RT-PCRによる遺伝子発現解析 ④ゲノムウォーキング法によるTg挿入位置の特定【結果】①病理切片観察により精子形成が精母細胞期で停止しており,伸長精子細胞以降の細胞が存在しないことがわかった。②トレーサー試験により,Tgがホモで挿入されていたマウスはWTやTgがヘテロで挿入されていたマウスより血液精巣関門内への流入率が高いことがわかった。これより,血液精巣関門の機能低下が考えられた。③自己複製因子Fgf2やテストステロン合成酵素Cyp17a1などの発現量低下がみられた。④Tg挿入により3番染色体上のUgt8a遺伝子のexon2が削除されていることがわかった。【考察】Tg挿入によるUgt8a遺伝子の欠損がフェノタイプや精子形成不全を起こすと考えれる。またUgt8a KOマウスでは報告されていない雌性不妊や胆のう肥大といったフェノタイプを示すことも発見しており,今後これらの解明をしていきたい。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564227309233280
  • NII論文ID
    130007719320
  • DOI
    10.14882/jrds.112.0_p-36
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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