<p>企業組織のあり方が多様化するなかで,組織において変化してはならないものがある一方,変化しなければならないものがあるのではないか、という問題意識から,組織の多様化現象に伴って組織の普遍性と特殊性の関係がどのようになるのか,どのように影響を受けるのかという点を解明することが意図された。その結果明らかになったのは,普遍性と特殊性の二元論的な見方の否定であり,企業組織の多様化現象における,普遍的な部分と特殊な部分の併存である。そして企業が存続するために,普遍性と特殊性のあり方についてまだ特定できる段階には至っていないが,両者の併存状況の確保が必要であることが確認された。仮説的にいえば,組織の多様性が増すにつれて特殊性が増し普遍性は減少するが,普遍性がなければ特殊性がなく,その逆に,特殊性がなければ普遍性につながらない。つまり両者は相対的に考えざるをえない関係性があるといえるのである。</p>
The Annual Bulletin of Japan Academy of Business Administration 84 (0), 5-11, 2014
Japan Academy of Business Administration