波長可変テラヘルツ光源を用いた分光技術の進展

  • 川瀬 晃道
    名古屋大学 エコトピア科学研究所 融合プロジェクト部門

書誌事項

タイトル別名
  • Development of spectroscopic technique using tunable terahertz-wave source
  • ハチョウ カヘン テラヘルツ コウゲン オ モチイタ ブンコウ ギジュツ ノ シンテン

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抄録

<p>0.5〜2.5THz帯の電磁波は,電波のように紙・繊維・ビニール・プラスチックなどを透過する性質をもち,光波のように取り回しやすく,さらに,試薬類が指紋スペクトルを有するというユニークな性質を併せもつため,隠蔽された薬物や爆薬の検査への応用が期待されている.禁止薬物を国際郵便に封入させて密輸するという事例が多いが,郵便物は捜査令状なしで開封ができないため1),非破壊で内容物を特定する技術が求められている.本稿では,筆者らが20年にわたり開発を進めてきた非線形光学効果による広帯域波長可変テラヘルツ光源を用いた分光測定システムについて紹介する.赤外分光光度計のテラヘルツ版ともいうべきシンプルな手法ゆえに,遮蔽物からの散乱などに強いというメリットを有しており,最近の波長可変光源の性能向上と相まって安全・安心分野への実用化が今後期待されている.</p>

収録刊行物

  • 応用物理

    応用物理 81 (4), 304-307, 2012-04-10

    公益社団法人 応用物理学会

参考文献 (11)*注記

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