異種間移植を想定したマウスPGCsの移動能の検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of mouse PGCs migration for xenogeneic transplantation

抄録

<p>【目的】始原生殖細胞(PGCs)は,将来配偶子に分化する細胞であり,アメーバ様運動を行いながら胚組織中を移動する。哺乳類のPGCsは,胚の形態形成と能動運動により生殖隆起(GR)へと移動するが,鳥類のPGCsはGRから離れた生殖三日月環に出現し,胚の血流に乗って移動する。哺乳類と鳥類のPGCsの移動経路・形式は異なるが,異種間で移植した場合,マウスPGCsがニワトリ胚中で移動するかどうかを検討した。【方法】交配12.5日目(12.5dpc)の雌雄のマウス(ICR)のGRを,10%ヒナ血清あるいはFCSを添加したDMEM培地で4から5日間器官培養した。その後,一次抗体に生殖細胞特異的な抗DDX4/MVH抗体(1,000倍希釈),二次抗体にAlexa594標識IgG(500倍希釈)とDAPI(1,000倍希釈)を用いて蛍光免疫染色を行い,マウスPGCsを観察した。また,孵卵6.5日目のニワトリ胚から採取したGRと12.5dpcのマウスGRを,トリプシンで細胞分散し,PGCsを含むGR由来細胞懸濁液をFCS添加培地で3から7日間共培養した。その後,蛍光免疫染色を行い観察した。さらに,12.5dpcのマウスPGCsをステージXのニワトリ胚盤に移植し,システムIIにより6.5日間孵卵した。発生した移植胚からGRを採取し,FCS添加培地で2から3日間培養後,蛍光免疫染色を行った。【結果】ヒナ血清添加培地で培養したマウスGRでは,GR内のみならずGR外にも抗体陽性細胞が確認され,その中には仮足を出している細胞も認められた。一方,FCS添加培地ではGR内のみに抗体陽性細胞が確認された。マウスとニワトリPGCsを共培養した結果,それぞれの細胞に対する抗DDX4抗体の反応は異なっており,培養7日目までは抗体陽性のマウスPGCsが確認された。また,マウスPGCsを移植したニワトリ胚GR中には,マウスPGCsと思われる細胞は確認されなかった。移植条件についてさらに検討が必要と考えられ,現在検討中である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564227312600320
  • NII論文ID
    130007719338
  • DOI
    10.14882/jrds.112.0_p-63
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ