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- 尾園 絢一
- Part-time lecturer, Tohoku University, Ph.D
書誌事項
- タイトル別名
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- Zur Entstehung der vedischen <i>āyá</i>-Denominativa aus <i>a-</i>stämmigen Nomina
- Zur Entstehung der vedischen aya-Denominativa aus a-stammigen Nomina
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抄録
<p>a語幹名詞に-yá-を付して作る名詞起源動詞(denominative verb)においては,しばしば,名詞語幹末のaが延長することが知られている(i.e. -a-yá- > -ā-yá-).この延長について,これまで様々な説明が提案されてきたが,確定的な見解はない.延長を単一の起源に求めることは困難である.</p><p>名詞起源動詞はさらに実体詞起源(desubstantive)と形容詞起源(deadjective)とに分けて考えることができる.『リグヴェーダ』ではa語幹から作られた-ā-yá- 語幹は形容詞起源(deadj.)のものに多く見られ,実体詞起源(desubst.)のものはaśvāyá-, yajñāyá- などに限られる.また「~を求める」という意味を示すa語幹実体詞起源の-āya- 語幹はRVではaśvāyá- に限られる.形容詞起源の -āyá- 語幹の多くは状態又は性質を表し,ヴェーダ語のa語幹具格形-ā́又は副詞からつくられた可能性がある.『リグヴェーダ』以降になると,実体詞起源のものにも -ā-yá-という形が拡大した.</p><p>他方,『リグヴェーダ』以来,具格-ā́に起源を持つ副詞とkarやbhavi, asによる分析表現が見られる.また,-ā́で終わる擬態語とkarの組み合わせも見られる.『リグヴェーダ』では多くの場合,karと組み合わせて「~をする」(objective),「~を~にする」(factitive)の意味で用いられる.古典サンスクリット,中期インド語では,-ā́で終わる副詞又は擬態語を基にした名詞起源動詞(denom.)が生産的になる.パーニニはā(ḍāc)+karとā(ḍāc)+denom. ya(kyaṣ)とが交替可能であることを教える.またdenom. -āyate (kyaṅ)は,cvi形成法の代わりにも用いられる.これらのことは形容詞起源の-ā-yá- 語幹が具格又はそれを起源とする副詞に由来することを間接的に支持するものと理解し得る.</p>
収録刊行物
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- 印度學佛教學研究
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印度學佛教學研究 67 (3), 1049-1054, 2019-03-25
日本印度学仏教学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564227316248448
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- NII論文ID
- 130007720318
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- NII書誌ID
- AN00018579
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- ISSN
- 18840051
- 00194344
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- NDL書誌ID
- 029604985
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可