立位全身振動ばく露における不快度に関する主観応答―周波数依存性に関する検討―

  • 柴田 延幸
    労働安全衛生総合研究所人間工学研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Subjective Response to Whole-body Vibration in Standing Posture —Effect of Frequency Contents—
  • タチイ ゼンシン シンドウ バクロ ニ オケル フカイド ニ カンスル シュカン オウトウ : シュウハスウ イソンセイ ニ カンスル ケントウ

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説明

<p>これまで立位姿勢における全身振動ばく露の人体影響を議論した研究は極めて少なく,多くは腰痛に代表される職業性筋骨格系疾病や作業姿勢などの関連性から,座位姿勢に対する全身振動ばく露とその人体影響に関する疫学調査や実験的研究であった.したがって立位姿勢における全身振動ばく露の人体影響に関しては,基礎的なデータの蓄積も少なく不明な点が多い.本研究では,心理物理学的手法を用いて全身振動ばく露に対する不快度を指標とした主観応答の周波数依存性とその方向依存性の検討を行った.12人の立位男性被験者に対して,前後・左右・鉛直方向のいずれかから全身振動をばく露させた時に感じる不快の程度を5段階系列範疇にしたがって口答してもらい,その結果からカテゴリー判別法を用いて不快度と振動刺激の関係を結びつける主観尺度を得た.その結果,前後および左右方向では,比較的大きな振動加速度に対して,低周波数あるいは高周波数の振動スペクトルを強調した振動刺激に対して知覚した不快度の主観応答の方がスペクトル一定の振動刺激に対して知覚した不快度の主観応答よりも低くなることが示された.また,周波数特性に関係なく鉛直方向からの全身振動ばく露に対して最も振動感受性が強く,鋭敏に不快を知覚することが示された.</p>

収録刊行物

  • 労働安全衛生研究

    労働安全衛生研究 12 (3), 153-160, 2019-09-30

    独立行政法人 労働安全衛生総合研究所

参考文献 (8)*注記

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