台湾の少子化と非婚化にみる祖先祭祀の行く末
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- 上水流 久彦
- 県立広島大学
書誌事項
- タイトル別名
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- 娘と娘しかいない人々を事例に
説明
台湾漢人社会では、男性子孫をもうけ、その子孫が祖先祭祀を行うことが当然とされてきた。男性は結婚し、男子を得ることでそれが可能となった。また女性は婚出し、そこで男子を生み、花婿側の祖先祭祀を継続させ、自分を祭祀する者を確保してきた。しかし、台湾社会では少子化と非婚化が進んでおり、男子が祖先崇拝を継承することを一層困難にしている。台湾の漢人はこの事態をどのように認識し、対処しているのだろうか。本発表では、伝統的な祖先祭祀から逸脱すると思われる「娘しかいない家庭」、「姉妹しかいない女性」、「未婚で子どもがいない女性」の聞き取りから、初歩的検討を行う。その検討からは、男性は「一族」という単位が祭祀の解決方法として選択肢に入っているが、女性にはない点、祭祀継承の観念よりも、「親と子」の単位の祭祀の重視されている点が明らかとなった。
収録刊行物
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- 日本文化人類学会研究大会発表要旨集
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日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2019 (0), E21-, 2019
日本文化人類学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564227317635840
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- NII論文ID
- 130007722666
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- ISSN
- 21897964
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可