非対面快眠プログラムの睡眠不良者における 睡眠改善効果の検討

  • 足達 淑子
    あだち健康行動学研究所,あだち循環器科内科クリニック
  • 堀内 聡
    岩手県立大学社会福祉学部

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term Effects of a Non-face-to-face Behavioral Program on Sleep Improvement for Poor Sleepers
  • ヒタイメン カイミン プログラム ノ スイミン フリョウシャ ニ オケル スイミン カイゼン コウカ ノ ケントウ

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抄録

研究目的は、非対面プログラムを用いた先行研究の対象者のうち睡眠不良者の睡眠改善に対する1年後の長期効果 を検討することであった。介入は全職員対象の保健事業として行った通信の集団的アプローチで、所属部署により小冊子配布のみ の読書療法群(BTG)と目標行動設定とセルフモニタリングを加えたセルフ群(SCG)の2群に分けて募集した。睡眠不良者は入 眠潜時30分以上あるいは睡眠効率85%未満とした。分析対象者は1年後に質問票の追跡調査に応じた84名(BTG29名、 SCG55名)であった。評価指標は睡眠問題(入眠困難、維持困難、早朝覚醒、熟眠困難)の有無、睡眠指標(睡眠時間、入 眠潜時、睡眠効率、中途覚醒回数、中途覚醒時間)、睡眠不足関連症状、睡眠関連習慣であった。解析の結果、睡眠問題は SCGのみで入眠困難と熟眠困難が有意に減少した。睡眠指標は全体で入眠潜時の減少と睡眠効率の増加が認められた。日誌に よる再分析で夜間覚醒に交互作用があり、SCGの夜間覚醒時間の減少がBTGより有意に大きかった。1年後に睡眠関連症状数は 両群とも減少し、その他の症状数はSCGのみで減少した。改善した生活習慣の項目数はSCGがBTGよりも多かった。SCGのみ で入眠困難と熟眠困難の保有者が有意に減少し、日誌記録からは夜間覚醒時間の短縮が認められたことから、この差を目標行動 設定とセルフモニタリングの長期効果と考えた。多数を同時に安価に教育できる本方法で、睡眠不良者の長期の睡眠改善効果が得 られる可能性が示された。

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