特発性多中心性キャッスルマン病の診断と治療の進歩

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タイトル別名
  • Recent advances in diagnosis and treatment of idiopathic multicentric Castleman disease
  • トクハツセイ タチュウシンセイ キャッスルマンビョウ ノ シンダン ト チリョウ ノ シンポ

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説明

<p>多中心性キャッスルマン病(MCD)は全身炎症を伴うまれな非クローン性リンパ増殖性疾患である。欧米ではHHV-8関連,特にHIV感染者のMCDが多く,本邦のMCDのほとんどはHHV-8陰性であり,特発性MCD(idiopathic MCD, iMCD)と呼ばれている。iMCDはIL-6の過剰産生を介して多彩な全身症状と特徴的な検査異常を伴い,時に臓器不全を引き起こす。本疾患は,長い間病理学的研究以外の研究が進んでいなかったが,TAFRO症候群との関連において近年日本だけでなく,国際的にも注目を集めている。我が国では2015年に組織された難病研究班により,診療参照ガイドが示され,拠点病院が組織されたことで,特発性MCDは331番目の指定難病に登録された。iMCDは適切な診断と治療を行えば,良好な予後が期待できる疾患である。今後の本疾患に対する診療,研究の発展が期待されている。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (9), 1205-1211, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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