「子育てひろば」における男子学生ボランティアの関わり

書誌事項

タイトル別名
  • Male Student Volunteers' Practices in Kosodate-hiroba (Childcare Space)
  • 「子育てひろば」における男子学生ボランティアの関わり : ケアのアクターとしての位置の獲得プロセスに着目して
  • 「 コソダテヒロバ 」 ニ オケル ダンシ ガクセイ ボランティア ノ カカワリ : ケア ノ アクター ト シテ ノ イチ ノ カクトク プロセス ニ チャクモク シテ
  • An Analysis of How Volunteers Become Agents of Care
  • ケアのアクターとしての位置の獲得プロセスに着目して

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抄録

本稿では,横浜市港北区にある「子育てひろば」 ( 以下「ひろば」)を 対象に,そこで活動する男子学生ボランティアが, どのように「ひろば」 に参与し,親や子どもと関わりながら,ケアのアクターとしての位置を獲 得しているかについて「ノンプログラム」という「ひろば」の仕組みに 着目しながら分析を行った. 彼らが最初に「ひろば」に入る際には「ノンプログラム」であるがゆえに, 自分が何をすべきかを自分で見つけていかなければならないことに戸惑い を感じていた.そのなかで彼らは,親と子の「隙間」を見つけ出し,子ども たちにアプローチすることによって,少しずつ親子との距離を縮めていく. また彼らは,「ノンプログラム」の「ひろば」において,ジェンダーを 資源として活用しながら,自分たちの位置を獲得していることが明らかと なった.彼らは時には,母親たちがあまりやらないような「激しい遊び」 を積極的に行うことで彼女たちとの「差異化」を図り,時には,母親たち が行っているような世話的なケアも引き受け,「同化」するような実践を 行っていた.場面場面で「差異化」と「同化」を柔軟に使い分けることで, 自分たちのケアのアクターとしての位置を獲得していた. こうした実践を通して,男子学生ボランティアたちは,子どもや母親た ちと親密な関係を築いており,その親密さは「親みたい」という言葉で語 られることがあった.親以外の様々なアクターが子どものケアに関わり, 親密な関係を構築していく場として「ひろば」があることは,家族に閉じ られた子どものケアを社会化してくという文脈においても重要な意義をも つ.

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