自閉スペクトラム症に高頻度に認める<i>POGZ</i>遺伝子座の患者特異的<i>de novo</i>変異の表現型解析

  • 中澤 敬信
    大阪大学大学院歯学研究科 薬理学教室/大阪大学大学院薬学研究科 神経薬理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Biological Significance of de novo mutations in autism spectrum disorder
  • 自閉スペクトラム症に高頻度に認めるPOGZ遺伝子座の患者特異的de novo変異の表現型解析
  • ジヘイスペクトラムショウ ニ コウヒンド ニ ミトメル POGZ イデンシザ ノ カンジャ トクイテキ de novo ヘンイ ノ ヒョウゲンガタ カイセキ

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抄録

自閉スペクトラム症は,社会的相互作用やコミュニケーションの障がい,言葉の発達の遅れ,反復的行動,興味の限局を主な症状とする神経発達障がいである。自閉スペクトラム症の発症割合は世界的に増加傾向にあるが,発症メカニズムや分子病態は不明な点が非常に多く残されている。患者の多くは弧発症例であるため,患者に新たに生じるde novo変異が注目されている。これまでに,およそ5,000程度の自閉スペクトラム症と関連するde novo変異が同定されており,それらは神経系の発達や分化に関連する遺伝子座,シナプス関連遺伝子座,クロマチン関連遺伝子座,転写制御関連遺伝子座に存在するものが多い。最近,高頻度に変異が同定されているCHD8やARID1B,TBR1等の自閉スペクトラム症と関連した機能解析が報告されている。我々は,神経系における機能がほとんど明らかになっていないPOGZに注目し,患者由来iPS細胞やマウスを用いた包括的な研究を実施している。

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