ダイズ葉柄の伸長の規則性に関する研究

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タイトル別名
  • Studies on the Synchronization of Petiole Elongation in Soybean
  • ダイズ ヨウヘイ ノ シンチョウ ノ キソクセイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p>ダイズの草型は主茎と分枝が基本となり,構成する節間によって骨格が決定されるが,最終的な葉身の配置は節から伸びる葉柄によって決まる.本研究ではダイズの草型,受光態勢の改善を目的として葉柄の伸長に関する基礎的な知見を得るために有限伸育型のダイズ品種フクユタカを供試し,主茎葉柄の伸長特性について詳細に調査した.一つの葉柄に着目すると,その伸長経過は,出葉後数日は緩やかに伸長し,その後急激に伸長する伸長最盛期を迎え,再び伸長が緩やかになり伸長停止期を迎えるS字型であった.個体全体をみると,出葉した順にS字型の曲線が数日間隔で並んだ.最終葉柄長は第3葉(第1本葉)が最も短く,上位2,3葉にかけて徐々に長くなり,その後,最上位葉にかけて短くなるパターンが認められた.最終葉柄長は最終節間長のパターンと類似しており,同じ植物単位に属する第N葉葉柄長と第N–1節間長の間に正の相関関係が認められた.したがって,葉柄と節間の諸要因に対する反応は類似していると考えられる.主茎葉柄の伸長は出葉との間に同伸性がみられ,第N葉葉柄における伸長最盛期は第N+2葉期,伸長停止期は第N+6葉期もしくは第N+5葉期という規則性が認められた.葉柄の伸長停止期は環境ストレスの影響を受けやすいと考えられ,節間ほど伸長の停止時期が安定していないことが推察された.以上の結果より,葉柄の伸長には節間と同様に規則性が存在し,節間伸長と類似する特徴が多くみられたことから,節間と同様に適切な処理を施せば,葉柄の伸長を制御し,草型を改善することができる可能性が示唆された.</p>

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