顔のリハビリテーション運動によるパーキンソン病患者の気分,表情,表情筋活動の効果

  • 岡本 るみ子
    筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻
  • 足立 和隆
    筑波大学体育系
  • 水上 勝義
    筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻 筑波大学体育系

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of facial rehabilitation exercise on the mood, facial expressions, and facial muscle activities in patients with Parkinson's disease
  • カオ ノ リハビリテーション ウンドウ ニ ヨル パーキンソンビョウ カンジャ ノ キブン,ヒョウジョウ,ヒョウジョウキン カツドウ ノ コウカ

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説明

<p>目的:パーキンソン病(以下,PD)では表情表出の障害がしばしば出現する.これまでにPD患者に対する頭頸部リハビリテーション(以下,リハ)効果について表情解析を用いた報告が少数報告されている.本研究では,顔のリハ運動(顔リハ)を実施し,その効果を詳細に検討する目的で,FaceReader™を用いた三次元表情解析と表情筋の表面筋電図測定を実施する.また,顔リハの気分や精神健康度に対する効果についての検討も併せて行う.方法:PD患者のコミュニティ「PD Café」を通じて,同意を得られた21名(男性:6名,女性:15名,平均年齢63.3±12.1歳)を対象とした.介入群と非介入群とに無作為に割り付け,介入群に対し,1回60分,週1回,12週間(合計12回)の顔リハ運動を3カ月間,実施した.介入群に対してGHQ-12による精神健康度,FaceReader™による表情解析,表情筋筋電図測定を介入期間前後に実施した.また,各回の介入実施前後にVASによる気分測定を実施した.非介入群に対しては,VAS以外の測定を介入群とほぼ同時期に実施した.介入前後の変化,両群間の効果の比較について統計的に分析した.結果:対象者のうち介入群は全12回中8割以上,顔リハに参加した8名(脱落率33%,継続実施率67%),非介入群は介入前後の測定のみに参加した5名を解析対象とした.介入群は,FaceReader™による「Happy」出現の増加傾向と「Sad」の減少傾向を認め,「Happy」は二群間で有意な交互作用を認めた.また,表面筋電図では多くの表情筋活動の増加を認めた.さらに,気分は毎回,介入後に有意な改善を示した.結論:今回の結果から,顔リハは,パーキンソン病患者の気分,表情,表情筋活動に有効である可能性が示唆された.また,FaceReader™による表情解析や表面筋電図は顔のリハビリテーションの効果判定に有用であることが示唆された.</p>

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参考文献 (19)*注記

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