“メタ・プロレタリア文学”にみる運動の周縁

書誌事項

タイトル別名
  • On the Margin of the Proletarian Literary Movement: The Representations of Women in Yuriko Miyamoto and Sakae Tuboi's “Meta-Proletarian Novels”
  • "メタ・プロレタリア文学"にみる運動の周縁 : 百合子・栄が描いた女性表象を中心に
  • "メタ ・ プロレタリア ブンガク"ニ ミル ウンドウ ノ シュウエン : ユリコ ・ サカエ ガ エガイタ ジョセイ ヒョウショウ オ チュウシン ニ
  • ――百合子・栄が描いた女性表象を中心に――

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説明

<p>プロレタリア文学運動の崩壊後、新たな《大衆》観を獲得した宮本(中條)百合子は、戦時下の激しい言論統制のなか、運動に殉じた文学者の家族を描いた“メタ・プロレタリア文学”ともいうべき作品を発表し、運動における《政治的優位性》を解体すると同時に、封建的イデオロギーに拠る女性観の危うさを剔抉する文学的試みをも達成している。なお、同時期に壺井栄も共通のモチーフの作品を生み、遺族の生き方から運動の内実を問う眼差しを織り込んでいる。無名の人々の生の重さを掬い上げる芸術的抵抗にこそ、プロレタリア文学運動の一つの可能性を見ることができるであろう。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 63 (11), 34-45, 2014-11-10

    日本文学協会

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