内添サイズ剤とその技術動向

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タイトル別名
  • Technological Trends of Internal Sizing Agents
  • ナイテンサイズザイ ト ソノ ギジュツ ドウコウ

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説明

<p>内添サイズ剤として代表的なロジンサイズ剤,AKD(アルキルケテンダイマー)サイズ剤,ASA(アルケニル無水コハク酸)サイズ剤の特徴,および技術動向について紹介する。</p><p>ロジンサイズ剤はサイズ性能の向上や,弱酸性〜中性領域でのロジン成分の溶出を防ぐために強化反応や疎水変性が行われている。また,ロジンサイズ剤はアルミニウムイオンとの反応によりサイズ性能が向上するため,効率的なサイジングには硫酸バンドの有効バンド指数(=バンドの電荷×バンドの歩留)を考慮する必要がある。AKDサイズ剤はサイズ度の立ち上がりが見られ,紙のサイズ度管理が難しいという問題があるが,抄紙系を適切なpH,アルカリ度にすることで効率的なサイジングや立ち上がりの改善が認められる。ASAサイズ剤は容易に加水分解し,加水分解物が汚れの原因となるため,加水分解を抑制しつつ効率的にパルプ繊維に定着させることが重要となる。</p><p>近年は省資源化,コスト削減のために古紙利用率の増大や抄紙用水のクローズド化などにより製紙用薬品のパルプ繊維への定着や機能発現が阻害されやすい状況となっている。このような状況下では定着剤の使用や,サイズ剤の近傍に硫酸バンドを添加し,活性な硫酸バンドを有効利用するなど,ウェットエンドで使用される薬品全体での処方改善も必要となってくる。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 73 (9), 854-860, 2019

    紙パルプ技術協会

参考文献 (3)*注記

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