顧客満足度と景気感との関連に関する研究

  • 池庄司 雅臣
    東京工業大学大学院 社会理工学研究科 経営工学専攻
  • 圓川 隆夫
    東京工業大学大学院 社会理工学研究科 経営工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Relation Between Customer Satisfaction Index and Business Conditions
  • コキャク マンゾクド ト ケイキカン ト ノ カンレン ニ カンスル ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

顧客満足度の企業のマーケットシェアや財務的な経営成果への定量的関係を把握するためには,顧客満足度の時系列的な測定が必要であるとともに,顧客満足度の性質やその生成メカニズムについて考察しておく必要がある.顧客満足度は,その調査の様式や形式によってモナディク指標と累積指標の2つに分類される.前者の指標については,わが国における耐久消費財を対象とした顧客満足度の代用指数の経年的な調査から,顧客満足度の大きさが株価に代表される時代の景気感と強い負の相関をもつことが示されている.本研究では後者の代表的な指標であるACSIを用いて,その生成メカニズムを踏まえた上で仮説を設定し,国家および産業セクター別における景気感との関係を分析することを目的とする.その結果<BR> (1)ACSIにおいてもその平均的大きさとダウ平均株価などの経済指標との間には,モナディク指標に比べて弱いものの有意な負の相関関係があること<BR> (2)さらに産業別ではスィチングコストの高い産業では特に負の相関が強く,それが低く企業間の競争が激しい産業ではその傾向が弱まることを明らかにした.<BR>最後にこの結果を踏まえて景気感による影響を考慮することで,ACSIと企業の経営成果の関係がより鮮明化する分析事例を示す.

収録刊行物

  • 品質

    品質 34 (4), 388-397, 2004-10-15

    一般社団法人 日本品質管理学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ