高齢級林分保有林家の百年史-人工林と林家のライフコース-

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タイトル別名
  • Hundred years history of old-aged-forest owner

抄録

<p>民有林の皆伐・利用・再造林を主軸に据えた林政の方針が示される中、材価低迷による施業意欲の低下、再造林後の獣害対策、苗木供給などの課題が山積している。地域の林業を支えてきた篤林家は、この課題とどう向き合っているのか、林家の保有林分の齢級構成によってその局面は大きく異なると考えられる。高齢級林分保有林家にとって人工林育成の百年史はどのようなものだったのか。本報告は、篤林家が皆伐・再造林のサイクルをどのように回してきたのか、人工林資源は家族の歴史とどう関わってきたのか、について明らかにし、人工林の持続的再生産のための諸条件について考察した。事例林家は、①材価低迷と皆伐・再造林実施のための労働力不足、皆伐後の獣害等の理由から高齢級林分の間伐を繰り返し、相続税、就学費用に充当した。②木材価格高騰期と家族構成員最大(7名)の時期がほぼ重なっていた。③1990年代から2000年代に3度の相続を経験する中で、4世代すべてが新植・保育・間伐・皆伐の各施業を経験した。林家保有の資源構成と林家家族構成員のライフコースに基づいた皆伐・再造林事業の仕組みづくりの重要性が示唆される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564237987061248
  • NII論文ID
    130007375782
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_208
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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