院外心臓性心停止患者に対する心肺蘇生法の先進的挑戦(7. CPAの治療は改善されたか)(<特集>第68回日本循環器学会学術集会)

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抄録

2000年,AHA/ILCOR)はevidence-based-medicine(EBM)に基づく世界共通の心肺蘇生と救急心血管治療の国際ガイドライン2000を報告した.このうち,成人の院外心肺停止患者の生還を可能にするもっとも重要な救急医療体制は,chain of survival(救命の連鎖)の円滑な連動であるとした.近年,わが国でもガイドライン2000に従った医療従事者を対象とした二次救命処置(advanced cardiovascular life support: ACLS)コースが類同に開催されている.日本循環器学会でも各地方会で救急医学会と協力し,このコースとAHAコースを開催,さらには,CPR(cardio-pulmonary resuscitation)普及委員会やAED(automated external defibrillator)検討委員会が設置され,その活動を開始している.2003年,ILCORは心停止心拍再開後の低体温療法は,EBMレベル1に当たるとし,心拍再開後も意識状態が不良な例は,かかる低体温療法を実施すべきであると勧告した.本稿では,わが国の院外心臓性心停止例の現況を分析し救急医療体制の再構築点を,次に,われわれが1996年から前向き研究で実施している心肺脳蘇生法の先進的挑戦を概説する.

収録刊行物

  • 循環器専門医

    循環器専門医 12 (2), 285-293, 2004-09-28

    一般社団法人 日本循環器学会

参考文献 (19)*注記

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