コウヨウザン林における土砂流出量の変化

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タイトル別名
  • Variation of surface soil movements in plantation forest of Chinese fir

抄録

<p>コウヨウザンとは中国では主要な造林樹種の一つであるが,日本では造林実績が少なく林分としての性質は不明な点が多い。本研究ではコウヨウザン林における表土移動特性とそれに関係する要因を明らかにするため,コウヨウザン林とヒノキ林に簡易土砂受け箱を設置して表土移動量を観測した。コウヨウザン林では落葉落枝が堆積しやすい特徴があるため,その評価を目的に落葉落枝の除去区を設けた。他の土砂受け箱の設置要因として傾斜条件(急・緩)を加えた。また,物質移動レート(g m-1 mm-1)を指標として他の樹種の林分を調べた既往の研究事例と比較検討した。コウヨウザン林の落葉落枝の有無を比較すると,有りのほうが物質移動レートが低く,コウヨウザンの落葉落枝による表土保全の効果を確認できた。コウヨウザン林では落葉落枝の除去区でも下層植生の回復がほとんど見られず,その原因として照度不足と上層木のコウヨウザンによるアレロパシーが考えられた。既往研究による他樹種林分と比べると,コウヨウザン林は表土保全の効果が高いとされるアカマツ林と同程度の物質移動レートとなった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564237987658368
  • NII論文ID
    130007376340
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_652
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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