北海道東部で発生したカラマツの大量枯死

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タイトル別名
  • High levels of larch mortality occured in Eastern Hokkaido, Japan

抄録

<p> 北海道の重要な森林資源であるカラマツに、近年、大規模な衰退・枯死被害が発生している。2016年度には道東地方の3町から1,718haもの被害面積が報告された。本被害はカラマツヤツバキクイムシによるものとされているが、詳細はわかっていない。ここでは、小型無人航空機(DJI社製Phantom4Pro、以下UAV)を用いた簡便な手法による被害把握の試みと、現地調査の結果を報告する。陸別町内の一般民有林を対象に、2017年5~9月にUAVによる空撮を行い、A3用紙にプリントアウトした画像を目視で確認して個体の状態を判別した。その結果、6月にその年の新規枯死木が発生し始め、6月下旬から7月下旬が、枯死木、新規枯死木(樹冠が赤変)、生残木の判別に適していた。7月中~下旬に合計87カ所(林小班数:53、林齢:15~83年生(平均39年生))を調べたところ、本数被害率は0.7~63.9%(平均15.8%)だった。本数被害率と林齢の関係は不明瞭だったが、既存の枯死木が多い場所ほど新規枯死木の発生が多かった。また、被害が激しい1林分での現地調査からは、直接的な枯死原因がキクイムシ穿孔とならたけ病感染であり、両者の相乗効果によって被害が激化していることが示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564237988735104
  • NII論文ID
    130007376313
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_666
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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