トマト茎えそ細菌病を引き起こす蛍光色素非産生の日本産<i>Pseudomonas</i>属細菌に関する多相分類学的解析
書誌事項
- タイトル別名
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- A polyphasic approach to study the diversity of nonfluorescent pseudomonads causing pith necrosis of tomato in Japan
- トマト茎えそ細菌病を引き起こす蛍光色素非産生の日本産Pseudomonas属細菌に関する多相分類学的解析
- トマト ケイエソサイキンビョウ オ ヒキオコス ケイコウ シキソ ヒサンセイ ノ ニホンサン Pseudomonasゾク サイキン ニ カンスル タソウ ブンルイガクテキ カイセキ
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抄録
<p>わが国に分布するトマト茎えそ細菌病菌の多様性の実態を把握するために,1980~2002年の間に,岩手,宮城,栃木,埼玉,千葉,静岡,石川,大分の8県で分離された21菌株を対象として多相分類学的な解析を行った.これら供試株をトマトに接種すると典型的な茎えそ症状が再現され,病徴や病原力に関して菌株間に顕著な差は認められなかった.また,いずれもグラム陰性,好気性で1~3本の極鞭毛を有する桿菌であり,King B培地で蛍光色素を産生しなかった.一方,16S rRNA遺伝子とrpoDの連結配列に基づく分子系統樹,および,MALDIバイオタイパーの分析結果に基づくデンドログラムにおいて,これら供試株や比較に用いた基準株は,以下の3つのグループに類別された:Group 1〔Pseudomonas corrugata(Pc)の基準株と供試株6菌株〕,Group 2〔P. mediterranea(Pm)の基準株と供試株7菌株),および,Group 3(供試株8菌株).このうち,Group 1とGroup 2に関しては,その主要な生理・生化学的性質や菌種特異的プライマーを用いたPCR検定に基づき,それぞれ,PcおよびPmと同定することができた.これまでに国内産の菌株がPmと同定された事例はなく,本研究がわが国における初めての報告となる.一方,Group 3は単系統群として独立すること,2-ケトグルコン酸とd-アスパラギン酸の利用が陽性,メソ酒石酸とヒスタミンの利用が陰性となること,PCR検定でPcやPmとは異なる結果が得られることから,新規分類群(新種,あるいは既知種の新亜種)の可能性が高いことが示唆された.そこで,現時点ではGroup 3をPseudomonas sp.と暫定的に表記した上で,わが国におけるトマト茎えそ細菌病の病原としてPmとPseudomonas sp.の2つを新たに追加することを提案したい.なお,PmやPseudomonas sp.(Group 3)は,Pcとともに,わが国における本病の発生に当初から関与していた可能性があるものの,その起源やわが国への侵入経緯に関しては全く情報がない.今後は,本研究で得られた成果を活用し,信頼性の高い検出技術を確立した上で,本病に関わるこれら3つの病原菌の起源,生態や分布の実態を解明することが必要である.</p>
収録刊行物
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- 日本植物病理学会報
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日本植物病理学会報 84 (2), 85-97, 2018
日本植物病理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564237988930304
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- NII論文ID
- 130007384386
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- NII書誌ID
- AN0019269X
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- ISSN
- 18820484
- 00319473
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- NDL書誌ID
- 029087732
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可