3 太平洋サケの嗅覚による母川記銘・回帰に関与する神経内分泌機能(<総説特集>嗅覚シンポジウム「嗅覚と内分泌機能」)

  • 上田 宏
    北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・大学院環境科学院

書誌事項

タイトル別名
  • 3 Neuroendocrinological mechanisms of olfactory imprinting and homing in Pacific salmon
  • 太平洋サケの嗅覚による母川記銘・回帰に関与する神経内分泌機能
  • タイヘイヨウ サケ ノ キュウカク ニ ヨル ボセンキメイ ・ カイキ ニ カンヨ スル シンケイ ナイブンピ キノウ

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抄録

サケの稚幼魚が降河回遊時に生まれた川(母川)のニオイを記銘し、親魚が繁殖のためそのニオイを想起・識別して母川回帰するメカニズムを解明するため、シロザケ稚魚のふ化場から海までの降河回遊に伴う脳-下垂体-甲状腺系ホルモン(BPT)、親魚のベーリング海から母川のふ化場までの産卵回遊に伴う脳-下垂体-生殖腺系ホルモン(BPG)、および脳内記憶に関与するNMDA受容体の動態を調べた。その結果、稚魚の降河回遊時にはTRH、親魚の産卵回遊時にはGnRHが主導的役割を演じ、NMDA受容体は嗅覚記銘・想起の分子指標として使用できることが明らかになった。

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