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- Ebihara Satoru
- Department of Rehabilitation Medicine, Toho University School of Medicine
Bibliographic Information
- Other Title
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- 唾液と誤嚥性肺炎
- ダエキ ト ゴエンセイ ハイエン
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Abstract
唾液量の減少は呼吸器感染症と関連がある。唾液内の雑菌を誤嚥することによって起こると考えられる誤嚥性肺炎においても唾液の減少が問題を起こすからである。したがって、高齢者に対する誤嚥性肺炎の予防策としてドライマウス対策が重要であると考えられる。さらに、直接的嚥下障害対策も重要であり、高齢者の衰えた嚥下機能を回復するために様々な方法が試みられている。香辛料による温度受容体刺激は、直接の知覚神経末端への作用に加え、嚥下に必要な脳活動部位のうち知覚に関する領域を活性化して、嚥下反射を促進する作用があることが示されている。なかでも、黒胡椒の匂いによる嗅覚刺激は、大脳島皮質と前帯状回を活性化して、高齢者の衰えた嚥下機能を回復できることがわかった。この方法はどんな状態の高齢者にも有用であるが、介護者の手間を要するため、簡便に高齢者を24時間刺激し続ける方法を開発した。以上のように、辛味と匂い刺激を組み合わせることにより、効率的に誤嚥性肺炎患者の再誤嚥をかなりの程度防ぐことができたので、本稿で紹介する。
Journal
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- The Japanese Journal of Taste and Smell Research
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The Japanese Journal of Taste and Smell Research 21 (1), 61-67, 2014
The Japanese Association for the Study of Taste and Smell
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390564237990222976
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- NII Article ID
- 110009810340
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- NII Book ID
- AA11426393
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- ISSN
- 24241326
- 13404806
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- NDL BIB ID
- 025534001
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed