藤井日達の西天開教とマハトマ・ガンディーの植民地主義批判

書誌事項

タイトル別名
  • An Exchange of Views between Rev. Fujii Nichidatsu and Mahatma Gandhi over the Critiques on Modern Civilization and Colonialism in Asia
  • 藤井日達の西天開教とマハトマ・ガンディーの植民地主義批判 : 近代日本仏教のアジア布教とインド
  • フジイビ タツ ノ セイテンカイキョウ ト マハトマ ・ ガンディー ノ ショクミンチ シュギ ヒハン : キンダイ ニホン ブッキョウ ノ アジア フキョウ ト インド
  • 近代日本仏教のアジア布教とインド

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抄録

<p>本稿は、戦前の日本仏教のアジア布教において独自の足跡を残した日本山妙法寺山主・藤井日達のガンディー思想との結び付きを検証する。それによって、これまでその矛盾が指摘されてきた日本山妙法寺による日本軍の大陸進出への協力と、ガンディーとの交流から生まれた非暴力思想という2つの観点を、整合的に理解する視点を明らかにする。特に、藤井日達のインド布教に向けた思想的総括とされる1930年の日本橋・白木屋での辻説法を取り上げ、そこに引用されるガンディーの著作『ヒンド・スワラージ』(インドの自立)での近代文明批判への思想的な共鳴が指摘される。これらの分析を通して、辻説法に表明されたガンディー思想との共鳴が、藤井を大陸布教から西天開教へと導く思想的転機を与え、また、日本の仏教をインドに還すという仏典上の命題が、ガンディーの植民地主義批判の視点を通して、現実のインドへの布教という実践的な命題へと結びつけられてゆく経緯が明らかにされる。</p>

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 21 (0), 1-15, 2015-06-13

    「宗教と社会」学会

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