MALDI-TOF-MS測定のオンプレート前処理法の開発と有機工業製品分析への応用

  • 佐藤 浩昭
    国立研究開発法人産業技術総合研究所機能化学研究部門高分子化学グループ
  • 中村 清香
    国立研究開発法人産業技術総合研究所機能化学研究部門高分子化学グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Development of an On-plate Sample Pretreatment for MALDI-TOF-MS Measurements and Its Application to the Analysis of Organic Industrial Products
  • MALDI-TOF-MS ソクテイ ノ オンプレート マエショリホウ ノ カイハツ ト ユウキ コウギョウ セイヒン ブンセキ エ ノ オウヨウ

この論文をさがす

説明

<p>MALDI-TOF-MSは高分子材料の化学構造解析に有力な手法であるが,ポリエチレンオキシド(PEO)系界面活性剤などのイオン化効率が高い成分が共存していると目的成分のピークが観測されにくくなるという課題があった.そこで水に難溶のトリヒドロキシアセトフェノンをマトリックスに用いて試料/マトリックス混合結晶を調製し,その上に水/メタノール混合液を滴下して速やかに吸引することにより,PEO系成分を選択的に除去できる簡便な前処理法を開発した.この方法を洗髪剤の成分分析に応用し,妨害成分であるPEO系アニオン性界面活性剤(ラウレス硫酸ナトリウム)を除去して,配合成分のピークが観測できるようになった.得られたマススペクトルをKendrick mass defect(KMD)プロットに変換して成分分布を二次元展開したところ,様々なPEO系非イオン性界面活性剤の組成分布やPEO-水添ヒマシ油の共重合組成分布を明らかにすることができた.また,紫外線硬化塗料に含まれるPEO系界面活性剤を除去して,ウレタンアクリル系成分の化学構造情報を得ることができた.本法は,工業製品の配合情報を簡便かつ詳細に得ることができるスクリーニング手法として有効であると思われる.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 67 (5), 281-291, 2018-05-05

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ