オレンジの蛍光を示す天然ピンクダイアモンドの特徴

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  • Characteristics of Natural-Color Pink Diamonds with Orange Fluorescence

抄録

<p>1.はじめに</p><p>照射、焼鈍し処理によるピンクカラーのダイ アモンドは、紫外線検査においてオレンジの 蛍光を示すことは良く知られている。近年、注目されている処理ピンクカラーのCVD合成ダ イアモンドも同様であることが報告されている。 現在流通している天然カラーのピンクダイアモ ンドの多くはブルーの蛍光を示すため、蛍光 性はピンクカラーの処理の検出に有効な検査 の一つとなっている。 </p><p>しかし、ごく稀ではあるが、オレンジの蛍光 を示す天然カラーのピンクダイアモンドを検査 する機会がある。そこで、エージーティージェ ムラボラトリー(以下AGT)で、過去10年間に 検査したオレンジの蛍光を示す天然カラーの ピンクダイアモンドの特徴を報告する。</p><p> 2.一般的検査結果 </p><p>オレンジの蛍光を示す天然カラーピンクダイア モンド(AGT 2006-2015 蛍光ミディアム以上)</p><p>・検査数 :18 石 </p><p>・Carat : 0.15 - 6.20ct. </p><p>・Color : Fait - Fancy [Orangy] Pink </p><p>3.分光検査結果 </p><p> FTIR測定の結果、タイプは全てⅡa であっ た。紫外可視分光検査は、光ファイバーで測 定光を外部試料室へ導入し、液体窒素を使 用して測定できる紫外可視分光光度計 (日 本分光:Ⅴ‐670)を使用した。室温での検査 では、507nm に幅広のバンドが検出され、さら に、いくつかのサンプルでは 575nm にも吸収 が検出されたが、通常天然ピンクカラーのダイ アモンドに認められる 550nm のバンドは検出 されなかった(図1)。冷却温度では、575nm、 637nm NVセンターが認められたが、処理ピ ンクダイアモンドに認められる 595nm のピーク は検出されなかった。</p>

収録刊行物

  • 宝石学会誌

    宝石学会誌 33 (1-4), 23-, 2018

    宝石学会(日本)

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564237991099392
  • NII論文ID
    130007395720
  • DOI
    10.14915/gsjapan.33.1-4_23
  • ISSN
    21898413
    03855090
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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