『松浦宮物語』にみる「忠」と「孝」

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タイトル別名
  • Loyalty and Patriotism in <i>Matsuura-no-miya-monogatari</i>
  • 『 マツラノミヤ モノガタリ 』 ニ ミル 「 チュウ 」 ト 「 コウ 」

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抄録

<p>本稿では『松浦宮物語』の主人公氏忠の戦場での活躍について、「忠」と「孝」という視点から分析を試みた。とりわけ玄宗皇帝の寵臣となりながら帰朝できなかった阿倍仲麻呂の「孝」と「忠」の葛藤の事跡が、作品に投影している可能性を指摘した。また作者の定家が、当時の時代背景として自ら見聞した武士の「忠」の思想を採り入れることで、「忠」と「孝」との葛藤の物語にリアリティを与え、その点でも中世軍記物語の先蹤となったことを明らかにした。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 62 (6), 1-10, 2013

    日本文学協会

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