術前検査により先天性限局性腸管拡張症と診断し得た1新生児例

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タイトル別名
  • A Newborn Case of Congenital Segmental Dilatation of the Small Intestine Successfully Diagnosed Before Operation
  • 症例報告 術前検査により先天性限局性腸管拡張症と診断し得た1新生児例
  • ショウレイ ホウコク ジュツゼン ケンサ ニ ヨリ センテンセイ ゲンキョクセイ チョウカン カクチョウショウ ト シンダン シエタ 1 シンセイジレイ

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抄録

<p>我々は,術前検査により先天性限局性腸管拡張症と診断し,手術を施行した新生児例を経験したので報告する.症例は在胎39週6日,3,042 gで出生した男児.胎児超音波検査で異常は指摘されていなかった.出生後より哺乳が緩慢で,体重減少と腹部膨満の増悪を認め,腹部レントゲン検査で右上腹部に著明な拡張腸管像と大腸に腸管ガスを認め腸閉鎖症は否定された.上部消化管造影検査で空腸上部に拡張腸管は造影されず,注腸検査では結腸全長が正常径を示し拡張腸管は造影されなかった.また,拡張腸管内に減圧目的に留置したチューブは,翌日には先端が拡張腸管を越えて肛門側の正常腸管まで到達した.以上から,術前に先天性限局性腸管拡張症と診断し,拡張腸管切除術を施行した.術後経過良好で,術後14日目に退院した.先天性限局性腸管拡張症は稀な疾患であるが,本症例では術前に診断できたことで,十分な準備の下に外科治療を行うことが可能となった.</p>

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