十勝地域の未耕地および農耕地における土壌断面形態と層厚の相違

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タイトル別名
  • Differences in Soil Profile Morphology and Thickness of Layer between Upland Soil and Adjacent Virgin Soil Profiles in Tokachi District
  • トカチ チイキ ノ ミコウチ オヨビ ノウコウチ ニ オケル ドジョウ ダンメン ケイタイ ト ソウアツ ノ ソウイ

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抄録

本研究では,調査地点を北海道十勝管内に位置する芽室町中伏古(典型淡色黒ボク土),音更町西中音更(多腐植質厚層黒ボク土)および幕別町相川(細粒質普通褐色低地土)の3地点とした。各地点の農耕地1ヶ所および,それに隣接する未耕地1ヶ所の計6断面において断面調査を実施し,断面形態および理化学性の比較から未耕地および農耕地の層厚の相違の把握を行い,以下の結果を得た。(1)各調査地点の未耕地および農耕地における土壌断面形態の比較から,農耕地では,開墾作業および農業生産を行うことによる土壌の移動や減少,さらに大型農業機械による土壌の圧縮が生じていると考えられた。(2)各調査地点の未耕地および農耕地断面における理化学性の比較から,農耕地では,未耕地よりも仮比重および固相率が高く,全炭素量は少なかった。このことから,農耕地断面では大型農業機械による土壌の圧縮,耕地化に伴う土壌有機物含量の減少が生じていると考えられた。(3)断面形態,理化学性の比較,さらにリン酸吸収係数を用いた統計的比較から,今回,調査を行った3地点における農耕地断面では,未耕地断面よりも層厚が約20-45cm薄くなったと判断した。

収録刊行物

  • ペドロジスト

    ペドロジスト 52 (1), 19-34, 2008-06-30

    日本ペドロジー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (29)*注記

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