リューココリネにおける球根貯蔵の温度と期間が出芽および開花に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of Storage Temperature and Its Period on Bud Emergence and Flowering of <i>Leucocoryne</i> Bulbs
  • リューココリネ ニ オケル キュウコン チョゾウ ノ オンド ト キカン ガ シュツガ オヨビ カイカ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p>南米チリ原産のヒガンバナ科ネギ亜科に属する秋植え球根植物であるリューココリネにおいて,球根収穫当年の12月以前に採花する作型を開発するために,本研究では現行の球根貯蔵法より短期間かつ高温での貯蔵が球根の休眠打破,出芽後の生育および開花に及ぼす影響を調査した.貯蔵を行わない無処理区と貯蔵温度(20°C,25°C,30°C,35°C)と貯蔵期間(2週間,4週間,8週間,12週間)を組み合わせた16組の試験区を設けて調査を行った.リューココリネ球根は,同じ貯蔵温度では貯蔵期間が長いほど出芽開始日は早く,出芽の揃いも良くなった.30°Cまたは35°Cの貯蔵温度で8週間貯蔵した時が,出芽率,出芽日数,出芽揃い,開花率および到花日数で最も効果的であった.また,出芽日数および到花日数と貯蔵期間中の積算温度との間に相関が認められ,到花日数の短縮には出芽日数の短縮の影響が強いと考えられた.なお,貯蔵期間中の積算温度1,500°C・日以上では,さらなる到花日数の短縮は見られなかったことから,効果的に到花日数を短縮する貯蔵には,35°C貯蔵では貯蔵期間は43日以上,30°C貯蔵では貯蔵期間50日以上が適切であると考えられた.本研究により,現行の20°C 5か月貯蔵より高温(30~35°C)で短期間(8週間)の貯蔵は,12月以前に採花する作型の開発につながるものと期待される.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 17 (2), 211-217, 2018

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (2)*注記

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