若者による東京大都市圏のイメージとその魅力

書誌事項

タイトル別名
  • The image of Tokyo metropolitan area and their attractiveness by youth

説明

都市部などの複合的な観光目的地は,多様な空間を内包しており、一つの目的地におけるバショやモノに対しても人それぞれ多様なイメージを抱くものだと考えられる.従来の観光研究においては,国・県・市・スポットレベルのイメージ調査に関して一定数はあるものの,若者に焦点を当て,複数のエリアを対象にイメージ調査を行った研究は少ない.本研究は,若者による東京大都市圏のイメージと魅力の整理を行い,その特徴を明らかにする.本研究の研究対象地は,東京大都市圏のエリアである.アンケートの回答者は,15歳から34歳(東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県,茨城県在住)までを対象としており,909人に対してインターネット上でのWebアンケート(5段階尺度リッカート法及びSD法)を行った.調査期間は,2018年1月5日から1月8日に実施した.質問項目は,観光目的地イメージにおける三つの視点(Cognitive, Affective, Motivation)から分類される43項目によってイメージの把握を試みた.まず,東京大都市圏のイメージ評価構造を明らかにするために因子分析(主因子法,プロマックス回転)を行った.次に抽出された因子得点の平均値をもとにクラスター分析(Ward法,平方ユークリッド距離,Z得点)を行った.そして,これらのクラスター間の特徴を明らかにするために,抽出された因子得点に差があるかどうかを一元配置分散分析および多重比較(Games-Howell)により,各クラスターの特徴を明らかにした.その結果,因子分析によりそれぞれのイメージ構造(Cognitive:4因子; Affective:2因子; Motivation:3因子)が抽出された.次にクラスター分析によって,16エリアが4つのクラスターに分類された.一元配置分散分析の結果、それぞれのクラスターに特徴が認められた. クラスター1では,魅力的なイベントや活動のイメージを持たれている特徴が示された.クラスター2では,高揚感や魅力的な活動というイメージが低く,身体的・精神的リラックスがやや高いことから,落ち着いた雰囲気を有している特徴が示された.クラスター3では,歴史的や町並みの美しさが評価され,また,高揚感と身体的・精神的リラックスのイメージが高いという特徴が示された.クラスター4では,贅沢・高級な雰囲気と評価され,ファッションや流行の発信がなされているというイメージの特徴が示された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564237995932672
  • NII論文ID
    130007411919
  • DOI
    10.14866/ajg.2018s.0_000183
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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