石井十次の天職観 : ウェーバーによる天職倫理との比較から

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タイトル別名
  • Ishii Juji's Conception of the Calling : Comparison with Max Weber
  • イシイ ジュウジ ノ テンショクカン ウェーバー ニ ヨル テンショク リンリ トノ ヒカク カラ

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抄録

石井十次は,国家的社会保障も確立していない明治期において,岡山孤児院を創設し,孤児救済・教育を実践した篤志家である.明治期の福祉は,これらキリスト教徒や仏教徒などの篤志家により支えられていたといっても過言ではない.その彼らを揺り動かしたのは「博愛」や「慈悲」であり,石井の場合も例外ではない.石井は,天父から与えられた天職とはなにかを追い求めるなかで,孤児救済・教育へと邁進した.本論文の目的は,石井を孤児救済に邁進させた,天職観について考察することにある.この考察は,石井が営利や名声を目的に福祉を実践したのではないことへの理解につながり,また石井を孤児救済に邁進させた源泉のひとつを知ることになる.ここに石井における福祉の原点が存在すると考える.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 47 (4), 5-17, 2007-02-28

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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