児童養護施設における子どもの権利擁護に関する一考察 : 『子どもの権利ノート』の全国的実態とテキスト分析を中心に

  • 長瀬 正子
    大阪府立大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Advocacy for Children in Residential Care in Japan : The Nationwide Research of the Discourse of "Rights Handbook" for Children
  • ジドウ ヨウゴ シセツ ニ オケル コドモ ノ ケンリ ヨウゴ ニ カンスル イチ コウサツ コドモ ノ ケンリ ノート ノ ゼンコクテキ ジッタイ ト テキスト ブンセキ オ チュウシン ニ

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説明

本稿は,児童養護施設における子どもの権利擁護施策・実践の現状と課題の一端を明らかにするため,全国で展開する『子どもの権利ノート』に焦点をあて,その特徴と課題について論じたものである.第一に,『権利ノート』の全国的作成実態を整理し,いかなる特徴をもった冊子であるのか明らかにした.『権利ノート』は,38都府県11都市で作成され,権利の伝え方として5つの類型に分けられた.第二に,子どもが権利侵害にあった場合に,有効な情報を提供している内容かという点に注目してテキスト分析を行った.結果として,権利侵害の指標となる記述に偏りがあることや,子どもにとってアクセスしやすい救済機関の記載不備など有効な情報を提供していないことが明らかになった.これらの課題は,『権利ノート』が作成されただけでは子どもの権利擁護は果たされず,今後の取り組みこそが重要であることを示唆するものである.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 46 (2), 42-51, 2005-11-30

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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